「般若心経」の解説
2009/09/20 10:14:47
般若心経の解説
前段 合掌(がっしょう)
第一段 発心(ほっしん)
皇太子の地位を捨て、愛する妻と子と居城も捨てて、完全な自由となったお釈迦様は悟りの境地を求め、長く辛い修行を経て、とうとう人間としての心の根本となる正義の道理を見つけ出し、生きながらの仏様になりました。その悟りの方法とは?
第二段 修行(修行)
苦しみの多いこっちの岸から眺めると、向こう岸は遥かかなたです。渡し船は三隻で、一隻は誰にも頼らず航海できるレーダー付き一人乗りボートの「縁覚号」です。一隻は誰かに誘導してもらわなければ航海できない無線付き一人乗りボート「声聞号」です。もう一隻は悩み苦しむ人は誰でも乗せる全天候型豪華客船「菩薩号」です。船長は超ベテランの「お釈迦様」です。縁覚号、声聞号、菩薩号の三隻がこれから悟りの岸に向かって航海の旅にでます。
第三段 菩提(ぼだい)
仏法という大自然の教えを信じて敬い、心を込めて菩薩行(六波羅密行)を実践すれば、その功徳によって思いがけないすばらしいご利益があるのです。
第四段 涅槃(ねはん)
「縁覚号」「声聞号」「菩薩号」などを利用しても、行きつく場所は「彼岸」という仏法の悟りの境地です。そこへたどり着くためには仏法を求める「一心」が大事です。それは「般若心経」という名の「陀羅尼」すなわち「呪文」の言葉に集約されています。
第五段 究竟(くぎょう)
般若心経の一字一字が真理の言葉であり、この真理の呪文は体と口と心の三つの働きが合致した時に驚くべき効果が得られるのです。
般若心経
前段 合掌(がっしょう)
仏説・・・仏様が説かれた教え
摩訶・・・大きく偉大
般若・・・知恵
波羅密多・・・こっちの岸「此岸」から、あっちの岸「彼岸」にわたる。悟りの境地に達すること
心経・・・仏教の要点をまとめた肝心な御経
第一段 発心
皇太子の地位を捨て、愛する妻と子と居城も捨てて、完全な自由となったお釈迦様は悟りの境地を求め、長く辛い修行を経て、とうとう人間としての心の根本となる正義の道理を見つけ出し、生きながらの仏様になりました。その悟りの方法とは?
観自在菩薩・・・観世音菩薩、観音様のことで、修行時代の釈迦のこと
行深般若波羅密多時・・・仏様の知恵で波羅密多行を深く考え、それを行う時
照見五蘊皆空・・・人も物も形あるものはやがて亡びてなくなることを見極める
度一切苦厄・・・すべての苦しみや災難のある此岸から離れて安楽の彼岸へ渡る
第二段 修行
苦しみの多いこっちの岸から眺めると、向こう岸は遥かかなたです。渡し船は三隻で、一隻は誰にも頼らず航海できるレーダー付き一人乗りボートの「縁覚号」です。一隻は誰かに誘導してもらわなければ航海できない無線付き一人乗りボート「声聞号」です。もう一隻は悩み苦しむ人は誰でも乗せる全天候型豪華客船「菩薩号」です。船長は超ベテランの「お釈迦様」です。縁覚号、声聞号、菩薩号の三隻がこれから悟りの岸に向かって航海の旅にでます。
舎利子・・・釈迦の十大弟子のひとり
色不異空・・・この世にあるすべてのものはいつか消滅してしまう
空不異色・・・この世にあるすべての物質は、どれも因縁によって原子が集まって分子となり、その分子が集まって作られたもの
色即是空空即是色・・・色不異空空不異色をさらに強調したもので、色も空も根本は同じものであるということ
受想行識亦復如是・・・物質や肉体だけが色や空になるのではなくて、受想行識という心もまた色や空になる
舎利子是諸法空相・・・舎利子、私(釈迦)が説いてきた五蘊皆空などの教えは、皆大自然の姿である
不生不滅・・・大自然の生命は生まれもしないし、死にもしない
不垢不浄・・・この宇宙は汚れてもいないし、きれいでもない
不増不減・・・大自然の命は増えないし、減りもしない
是故空中・・・したがって、空のなかには
無色無受想行識・・・色という肉体もないし、受想行識という心もない
無眼耳鼻舌身意・・・目も耳も舌も身も意をなかったとしたら
無色声香味觸法・・・色も声も香りも味も感触も、心に感じることはない
無眼界乃至無意識界・・・眼界も耳界も鼻界も舌界も身界も意識界もなにもない
無無明亦無無明盡・・・無明もなく、また無明がつきるということもない
乃至・・・ないし
無老死亦無老死盡・・・老死もなく、また老死がつきるということもない
無苦・・・苦しみをなくす
集・・・苦しみの原因をつきとめる
滅道・・・苦しみを滅ぼし正しい道を行く
無智亦無得・・・智もなくまた得ることもない
以無所得故・・・所得なしの心で
第三段 菩提
仏法という大自然の教えを信じて敬い、心を込めて菩薩行(六波羅密行)を実践すれば、その功徳によって思いがけないすばらしいご利益があるのです。
菩提薩埵・・・悟りをひらいた人
依般若波羅密多故・・・般若波羅密多の修行をすることにより
心無罣礙・・・心にこだわりがない
無罣礙故無有恐怖・・・心にこだわりがないから恐怖心がない
遠離一切顚倒夢想・・・いっさいの間違った考え方や妄想から遠く離れなさい
究竟涅槃・・・ついにとうとう悟りの境地に達する
三世諸仏依般若波羅密多故・・・三世の諸仏は般若波羅密多行をしたがゆえに
得阿耨多羅三藐三菩提・・・この上もない悟りを得ることができる
第四段 涅槃
「縁覚号」「声聞号」「菩薩号」などを利用しても、行きつく場所は「彼岸」という仏法の悟りの境地です。そこへたどり着くためには仏法を求める「一心」が大事です。それは「般若心経」という名の「陀羅尼」すなわち「呪文」の言葉に集約されています。
故知般若波羅密多・・・般若波羅密多を知ることによって
是大神呪・・・この般若心経は神妙な真実の言葉である
是大明呪是無上呪是無等等呪・・・これは明白な言葉であって、これは最上の言葉であり、これはほかに比較できないような言葉です
能除一切苦真実不虚・・・能(よ)く一切の苦しみを除くことは、真実で偽りではありません
第五段 究竟
般若心経の一字一字が真理の言葉であり、この真理の呪文は体と口と心の三つの働きが合致した時に驚くべき効果が得られるのです。
故説般若波羅密多呪・・・ゆえに般若波羅密多の呪文を説くのです
即説呪日羯諦羯諦・・・すなわち呪文を説明するならば、行こう、行こう
波羅羯諦波羅僧羯諦菩提娑婆訶・・・彼岸へ行こう、みんな一緒に彼岸へ行こう、みんなそろって悟りの彼岸へ行き着こう
般若心経